欲望のままに

ごみくずが欲望のままに生きる様を綴ります

高校デビュー

私は、完全なる高校デビューです。

 

中学までは、天パに悩むただの優秀な生徒でした。

テストは学年1位、バスケ部では県選抜、そして生徒会副会長。

 

完全にモテる要素しかありませんが、「自分をかっこ良く見せる」ことに少し抵抗を感じており、「モテよう」「彼女をつくろう」という意識を外に向けて発信することは全くしていませんでした。

 

もちろんオナニーは毎日するし、セックスにも興味はあるし、好きな女の子もいました。ただ、そういった異性に向けた感情を表に出すことに臆病になっていたのだと思います。

 

それまで、なんでもそつなくこなし、あまり失敗をしてこなかったので、未知の領域である「異性との交流」に踏み込んだ時の失敗をすごく恐れていたのだと思います。

 

転機は、高校進学でした。

ただの優秀な中学生だった私は、高校受験は何の問題もなくクリア。受験勉強らしい受験勉強もせず、県トップの高校に進学しました。

 

ここで幸運が訪れます。

クラスに同じ中学出身の人がひとりもいなかったのです。同じ高校には何人か進学してきていましたが、基本的には地味で真面目な人たちばかり。中学のとき、モテていた、モテようとしていた人たちは低偏差値の高校に進学されたので、「怯え」の原因がひとつ取れた気分でした。

 

まだ誰も素性を知らないコミュニティの中で、

「モテようとしている、モテるんじゃないか、いやモテるでしょ」と思われるポジションを築くことが「性の解放」への第一歩と考えた私は、攻勢に出ます。

 

まずは、外見から。

私の高校は、私服でした。ですので、洋服のセンスがモテへの重要なポイントです。

 

ここに関しては正直自信がありました。

モテに対して臆病だった中学時代から、ファッションについては訓練をしていたからです。休みの日には母親とRight-onやマルカワに行き、エドウィンのジーンズや、洒落た重ね着をマスターしていた私は、親戚のおばさん達からも褒められるファッションセンスの持ち主となっていました。

 

次に髪型。

天パに悩む中学生だった私は、高校進学を期に、父親行きつけの矢島理容室から、

母親の通う美容院に乗り換えました。

 

母親は、なんとなく私が「高校デビュー」したがっているのを感じ取っていたんだと思います。「iam53kuzuちゃんも高校生なんだし、美容院に行ってみたら?」のひと言に今でも感謝しています。もちろんこの時の母親は、後に欲望の塊となった私が家族に迷惑を掛ける事態を引き起こすことは何も知りません。

 

そして初めて美容院に行った私は、髪を茶色に染めました。

 

これで、高校デビュー男子の完成です。